2014年8月28日木曜日

『Let It Go』吹き替え論争【2】

公開初日の314日。
私が映画館で観た『アナと雪の女王』は字幕版だった。
前の記事を見ていただければ判るように予告で観たものも字幕版だったし、普段も洋画を映画館で観る時はたいてい字幕で観ていた。
『アナと雪の女王』もディズニー映画の例に漏れず、ミュージカルテイストの強い作品であるということは火を見るよりも明らかだった。ならば字幕を選ばない理由がない。



『アナと雪の女王』を観て

『アナと雪の女王』の作品全体としての感想は割愛するが、『Let It Go』のシーンがやはり一番の山場だったように思う。
――もちろん、クライマックスは終盤のシーンなのだが、観ていて一番心が動かされたという意味では、私にはここ以外無いのだ。

これは女王エルサの今まで自分を犠牲にして積み上げてきたもの(国、民、信頼、妹)のおよそ全てを失い、そうなってしまった現状と向き合うシーン。
予告時点では知り得なかった悲痛の叫びの理由も、物語を通して観ることでより重い意味を持って観る人の心を揺さぶる。

Let it go,let it go
これでいいの かまわない
――英語歌詞と字幕版の翻訳より

全てを諦め、後悔する気持ちを拭い捨て、これで良かったんだと強がりながら氷の城へと引きこもり一人で生きる決心をした。いや、一人で生きることを余儀なくされた。
私は少なくともそういった悲しい印象を受けた。


さて翌日、何の気なしにニコニコを開くと、松たか子版『Let it go』なるものがデイリーランキングの上位にあるのを見つけた。どうやら日本語吹き替え版の『Let it go』シーンのようだ。
――後に調べたところ、動画自体は映画予告として2月の上旬にアップされていた。当初はランキング200位前後をウロウロしていたようだが、3月に入る辺りから急激に順位を伸ばし映画公開日の直前、終にデイリーランキング1位を達成したようだ。
やはりこの予告も、大胆にも一曲を丸々流すだけのものだった。
第一印象というものは大事なもので、この動画を見る前に予告、本編を映画館で観ることができたのは幸福だったと思う。
――松たか子Ver.を批判しているのではなく、あくまでファーストインプレッションを映画館という大画面/大音量で体感したことに対する話である。


さて、ここまでは実は長い前置きだったわけだが。
こうして私は『Let it go』の吹き替えVer.であるところの『ありのままで』を聴いたのである。


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